昨今、就職活動には、「学歴(学校歴)」は当然ながら、特に「コミュニケーション能力」が必要だと言われている。
つまり、「学歴」で選別された後は「コミュニケーション能力」に長けたものが就職活動の面接試験に有利になるということだ。
では「コミュニケーション能力」とは何であろうか。
その定義はさまざまだが、私はその能力に最低限必要なものとして、
「挨拶をきちんとできること」と
「人の話を理解すること」を考える。
塾の場合、「挨拶をきちんとできること」は「挨拶」と「お礼」の場面に現れる。
例えば、塾に来た時に元気にちょうどよい声の大きさで「こんにちは」と言える子と、言ったのかどうかわからないくらいの声で「こんにちは」と言う子では、当然、前者の方が印象がいい。
筆記用具などを貸す際に、「ありがとう(ございます)」と言える子と、ちょっと頭を動かすだけの子では、やはり前者の方が印象がいい。
実は、この差は大きい。
面接は「第一印象が8割」と言われるからだ。
さらに、「挨拶をきちんとできる」子は、受け答えもしっかりしていることが多い。
そこが、話の内容に良い印象を持ってもらえることにもつながる。
「人の話を理解する」は授業の受け方そのものだ。
「授業内容の説明や指示を理解」しなければ、問題の答えは導き出せない。
面接では、「相手の話の内容、質問」が理解できなければ、まともな回答などできるわけがない。
毎年、中3生や高3生の面接練習をしているが、質問の趣旨が理解できて、その趣旨に沿った受け答えができる子は、非常に印象が良いし、高評価を受ける。その反対は、言うまでもない。
就活の面接では、面接官を変え、何回も、いろいろな方向から、面接をされるから、その人の「人となり」がほぼ100%出てしまうかも知れない。
「学歴(学校歴)」も「コミュニケーション能力」もそう簡単に身につくものではない。
ただ、何年もの計画準備が必要な「学歴」よりは「コミュニケーション能力」の方が身につけやすいと感じる。
「おとなしい性格だから」「引っ込み思案だから」など関係ない。
まずは「きちんと挨拶をする」という習慣を身につけたい。
それは、朝起きたときの家族への「おはよう」から始まる。