小中学生は学習を始めれば、必ず伸びる。
もちろん個人差はあるからすぐに伸び始める子もいれば、伸びるまでに数年を要する子もいる。
かつてうちの生徒で、伸びるまでに最長で丸6年かかった生徒がいる。
この子の場合、高校入試までには間に合わなかったが大学入試にはどうにか間に合うことができた。
当時通っていた高校からの進学先としてはトップの大学を目指していた。
ところが、高3の12月直前に英語が突然伸び悩み始めた。
センター試験の過去問の得点が伸びなくなったのだ。
あと1カ月しかない。
打開策として、あるテキストの例文の暗記を毎日範囲を決めて行うことにした。
今さらながら、急がば回れだ。
ひたすら暗記、確認テスト、また暗記、確認テストをおよそ1ケ月くり返した。
すると、それまでよりも2割近く得点が上がり、何とか目標点をクリアすることができたのだ。
結局、センター試験を活用することはなかったが、第一志望に合格できた。
合格時に「先生、ありがとうございます。先生のおかげで何とか合格できました」とお礼を言われた。
しかし、私はテストを作っただけで、すべては本人の努力によるものだ。
「今さらこの量!」と直前期には少し躊躇するくらいの厚いテキストだったが、提案した瞬間に即答で「やります」と言い、それを実行したことが功を奏した。
学力を伸ばすにはあきらめることなく、1つ1つを丁寧に取り組むことが必要になる。
しかし、自分一人で取り組むことは大変なので、先達として私たちがいる。
うちの塾では、授業の受け方や、家庭学習の方法なども具体的に指導している。
最初は型にはめた学習から始め、それができるようになったらそこに「自分」という個性を入れた、お仕着せではない学習に変化させていく。
そして自分の学習方法を確立するのだ。
そこまでを中学のうちに身につけてもらいたいと考えている。
さきほどの高校生のように、指導を素直に受け止め、実行し,授業をきちんと聞き,丁寧に学習することを続けていけば必ず伸びてくる。
ただ、今まで学習をしてこなかった子は、何年分も学年を戻った学習も必要になる。
それでも「伸びる」と信じて、地道に取り組んでいこう。
そうやってがんばる子どもたちを応援するぞ!と、新年度にあたり、あらためてうちの塾の使命について考えてみた。