都立立川高校に創造理数科ができてはや2年。
その創造理数科の推薦試験では「口頭試問」が行われる。
この「口頭試問」についての高校側の説明が非常に興味深かった。
推薦では、前もって「研究実績報告書」を提出し、その内容について口頭試問が行われる。
事前に提出するその「報告書」は生徒以外の力が加わることがあるので、採点には含まないそうだ。
そして、「入試のために作られた研究ではなく、幼い頃から1つのことに夢中になり、取り組んでいる、そういう内容を高く評価する」とのことだった。
付け焼刃で「見栄えのいい研究」ではなく、「興味を持ち、そのことに没頭し続けること」というその説明を受けた時に、ふと頭に浮かんだのは田上大喜君という男の子だ。
私がこの子をテレビで最初に見た時は、妹が蚊に刺されるのをかわいそうに思い、刺されなくなるための研究を始めて、世間から注目を集め出した頃だった。
この田上くん、その後コロンビア大学を経て、現在はオックスフォード大学大学院で遺伝子の研究をしているそうだ。
きっと立川高校では、この田上くんほどではなくても「何か1つのことに夢中になって、探究し続ける」ような生徒を求めているのだろう。
立川高校の創造理数科の推薦だから、田上くんを例にしたが、一般的には、理科だけではなく、英語でも、数学でも文学でも何でもいい。
何かひとつのことに夢中になることができ、しかもそれを継続できることは、すごく大切で、大きな力となるのではないだろうか。
例えば、「読書」をし続けるのも大きな力になる。
「読書」と言えば芦田愛菜ちゃん。
学業と芸能界の2足のワラジを両方とも成功させている。
彼女の話は奥深く、SNSなどでも「人生何回目」などと言われている。
これは「読書」による「語彙力・読解力・思考力」の賜物である。
幼い頃から続けていることが子どもの力となっていく。
こういう子供たちはこの力を、自然と学習にも応用している。
それは、その子が好むものを「し続ける」ことが「学習の基礎」と同じであるから、学習にもシフトしやすいのだろう。
子供が幼ければ、いろいろな体験をさせ、そこから興味を引き出すことが可能だ。
「でも、うちの子、もう中学生でそういうことはしてこなかったわ😰」という場合はどうしたらいいのか。
その場合は「学習」を興味の対象にしてしまうのだ。
ただ、ほとんどの子どもは学習には興味を持てないだろう。
そんな学習に興味を持たせるためには「小さな成功体験」を積ませることだ。
成功できたことが次への意欲につながる。
大きなことを達成する道のりは、いつでもスモールステップから始まる。