の続き
経験値のない子どもに「学習しろ」と言ったところで、周りに良き学習者でもいれば見よう見まねで始めることは可能だろうが、普通はできない。
ノートを写すこと、ワークを写すことを、学習だと思いこんでいる子は意外と多い。
そのまま、高校入試を迎えてしまえば、それは悲劇だ。
でも、誰でもはじめはビギナーであったことを忘れてはいけない。
「先達はあらまほしき事なり」、兼好法師も言っている。
だからうちの塾では学年に応じて「学習のしかた」のおおまかなフォーマットを生徒たちに示している。
そのフォーマットに沿って学習することで、テストで高得点が取れたり、学校の評価が上がったりすることで、成功体験を積んでもらう。
その小さな成功体験が、子どもたちに「やればできる!」という気持ちを芽生えさせる。
そしてフォーマットに沿った学習から、徐々に「こうしたらいいのではないか」というチャレンジができるようになる。
チャレンジして、うまくいけば自分の学習として取り入れ、そうでなければ取り入れない。
そんなことをくり返していくうちに「自分だけのオリジナル学習法」を身につけていく。
そうすれば、自ら進んで学習できるようになっていく。
これは「初めての料理に挑戦する」時に例えられるかもしれない。
今は便利な時代で、「材料」を打ち込めば、その材料を用いた料理の作り方がすぐに検索できる。
まずはレシピ通りに材料をそろえ、レシピに従って調理する。
食べてみたらおいしくて、周りからも好評であれば、次回も作ってみようと思う。
作っていくうちに「この野菜よりもこっちの方がいいかも」など材料を変化させたり、「こうやって作った方が私には合う」などと、手順を変えたり、一手間を加えたりする。
そうやって「自分のおいしい定番レシピ」はできあがっていく。
この過程を子供たちにも経験してもらいたい。
当り前だが、子供は自主的に何か行動するには経験が少ない。
だから、初めは大人が「やり方」を示してあげる必要がある。
しかし、これには注意が必要となってくる。
次回はこの注意すべき点について書いてみたい。