の続き
昨日、うちの塾には「学習方法のフォーマット」があると書いた。
このフォーマットは本当におおまかなことしか記していない。
だから、最初の注意点は「細かく指示しすぎない」ということだ。
細かく指示しすぎると、「その通りにしなければならない」と思い込み、もしできない場合は挫折感を味わってしまうことになる。
大まかなので、子どもたちが「どうやって進めていくのか」を考える余裕がある。
この考える余裕がなければ、単なる「指示」になってしまい、「指示がないと何もできない子」を作り上げることになることに注意したい。
次の注意点は「焦らない」ということ。
小学1年生が学校で朝顔を育てていた。
同じ日に種を植えたが、芽は一斉には出てこない。
次々と友だちの植木鉢にはかわいい双葉の芽が出てきたのに、自分の植木鉢には芽が出てこない。
焦った女の子は芽がどうなっているか知りたくて、土を掘り返した。
その瞬間、土の中で出始めていた芽を手で折ってしまった。
種には個体差はあっても、いつかは芽吹く。
いずれは芽吹くのに、焦ったことでその芽を自ら潰してしまったのだ。
子供の教育を朝顔の芽に例えた実話だ。
生徒たちを見ていると、すぐに成績が上向く子もいれば、時間がかかる子もやはりいる。
卒業生たちの高校・大学・就職などを見ているといつも思うのは「コツコツやる子は強い」ということ。
結果が出始めるのに多少時間がかかっても気にすることはない。
「コツコツやる子」は、塾の経験上からも、いつか必ず結果を出せる。
どんな場合でも変わらず日々コツコツ学習できる子に育てたい。
せっかく出始めた芽を、大人が焦って潰すことがないようにしたい。
最後の注意点は「いつまでも大人が口を出す必要はない」ということ。
小学校の低学年は幼いので、大人が誘導してあげる必要がある。
その後は、学年が上がるのにあわせて、できるだけ大人が意識して手を放すようにしたい。
中学生ではほぼ手を放し、高校生は独り立ちさせ、大人が手は出さない方がいい。
子供は精神的に肉体的にも、日一日と大人に近づいていく。
大人へと成長している子供を、いつまでも親が子ども扱いしては子どもの伸びが抑えられてしまう。
現代は、子の親離れは以前と変わらないようにみえるが、親の子離れはなかなかできにくい時代になっているように感じる。
親は可愛かった幼い頃の姿を大きくなった子供の中に常に見ている。
ましてや長子だと、親が子離れの経験がないから、「手を放して大丈夫なのか」と不安になり、手放しにくい。
でも、このブログを読んでくださっている方も私も、親から離れ自分の足でしっかりと立っている。
子どもも同じだ。
子どもの「自立」を信じて、徐々に手を放していきましょう。
その先に、1人で歩む我が子の人生があるのだから。