親として、わが子には成功し続けてほしい。
そう思う気持ちはよくわかる。
かつての私もそうだったから。
できれば失敗という辛さなど知らない方がいいとさえ思っていた。
そういう時の親は過保護になりがちだ。
つい助け舟を出し、先回りして石を取り除き、それから歩かせるようなことをしてしまう。
学習面でも、特に小学生のうちは、お母さんがつい答えを教えてしまうこともあるだろう。
それを続けていると子供は、お母さんが教えてくれるからと自分で考えることをやめてしまう。
だって、その方が楽だから。
自ら調べたり、工夫したりしなくなる。
そういう子は、中学生や高校生になっても、親の助けがなければ学習できない子になってしまう。
依存することが当り前になるから、「考えるプロセス」を無視して「答え、しかも正答」のみを求めるようになる。
しかも、その状態が保護者も本人も自覚することなく進行するものだから、タチが悪い。
手を離すことの難しさはわかるが、我が子のために、自分がそうなっていないか振り返ってみるべきだ。
今、うちの塾の小学生では「自分で考える」を大切にできる子が育ってきている。
お母さん方のおかげだ。
宿題の画像を送信するときに「まちがっている」とわかっていながら送る気持ち、きっと歯がゆい想いだと思う。
それでも何度でも、まちがっているとわかっている宿題を塾に送ってくださる。
それがわが子を伸ばすとわかっているから。
そういう想いのあふれている画像を見て、もっともっと自分で考え、答えまでの道筋を自力で見出せる子になるよう、導いていきたいと思った。