私の長男が生まれた頃、国立高校のすぐ近所に住んでいたことがある。
息子のお気に入りのお散歩コースは国立高校と一橋大学一周コースだったので、親しみのある高校である。(どちらも息子は行かなかったが…)
現在は分からないが、当時息子がぐずったときの夜のお散歩で、20時過ぎくらいに高校の校庭近くを歩いていると、楽しそうな声が部室長屋からよく聞こえたものだ。
「まだ、こんな時間に(生徒が)いるんだ」と思ったのを覚えている。
当時は塾への出勤に電車を使っていたのだが、帰りの国高生とよく同じ電車に乗り合わせた。
「今から渋谷に行かない?」などという声も聞いたことがある。
当時、国立高校に通っていたうちの塾の生徒にその話をすると、「確かに活発で、みんなよく遊ぶんですが、抜き打ちテストとかがあっても、平均が80点を超えるんです」と言っていた。
遊ぶときは遊び、学習する時は学習する、そのメリハリがついているところがさすがだなあと感心した。
説明会の中でも、伝統の9月の文化祭に向け、高3生が夏休みに受験勉強と文化祭準備を両立しているという話があった。
その文化祭の外装を作りたいがために国立高校に入学する生徒がいるそうだ。
オール5でも不合格になる高校に、その数日間の装飾作りのために入学してくる。
「装飾作りのために、工芸高校ではなく国立高校へ」おもしろいなあと思った。
そうやって1つのことに夢中になれる子は学習にも集中して取り組めるはずだ。
個性あふれる自由な校風の高校。
そして皆が「やるべきことはやる」高校。
だから都立自校作校の中でも高い大学合格実績を収めることができるのだろうと思った。