小5生に、初めて小林一茶の俳句20首の音読を出した時のことだ。
「俳句は五七五のたった17字でできている詩だ」と伝えた。
そして「中には約束通りではない俳句もあるから、先生が読むので、どこで区切ったらいいのかをプリントに書いてください」と、20首を音読した。
いわゆる「破調」の句が1首あったのだ。
また、現代仮名遣いとは異なる言葉も読み方を説明した。
ついでに簡単に俳句の意味も説明した。
俳句は読みの語調や音感が最も大切だ。だから、まずは読めることが大事。
みんな、必死に切るところにマークを入れ、読み方のチェックをしていた。
俳句の内容には「ふーん、そうなんだ」とうなずいている。
ところが、一人、最初に説明した「五七五」が残ってしまったようで、全体への説明の最中も、ずっと指を折って、数えるのに夢中になっている子がいた。
その夜、みんな、正確に音読できていたのだが、その子は残念ながら、切り方も現代仮名遣いの読み方も正しく読むことができなかった。
めったにふれることのない「俳句」という短詩。
17文字の世界に興味を持てたことはとてもいいことだ。
でも、せっかく興味を持てたのに、一番大切なことを逃してしまう可能性がある。
できれば授業に集中して話を聞いて、お家で「本当に五七五でできているのか」を確かめたら、もっと学びが深くなったかもしれない。
そう考えると、やはり「授業中の話に集中する」ことができないと、もったいないと思う。