13日(木)の東京都教育委員会の報道発表資料によると、悪名高き都の英語スピーキングテスト「ESAT-J」からベネッセが来年度以降撤退するそうだ。
資料によると、次期事業応募者は「ブリティッシュ・カウンシル」1社だけで、ベネッセは次期事業に応募しなかったようだ。
世間からの批難に耐えられなかったのだろうか。
競争入札だが競合他社は不在で、この1社にそのまま請け負わせることになった。
ブリティッシュ・カウンシルはイギリス政府が設立した非営利団体とのこと。
こちらの認識としては、英会話スクールのイメージしかない。
審査委員会の選定経過を表わす「審査講評」によると、世界規模の検定試験「IELTS」を実施していることが決め手のようだ。
世界規模と言っても、この「IELTS」は日本ではそれほど認知されていない。
都立高校入試の英語スピーキングテストは、当ブログでも5年ほど前から指摘していた問題点が、昨年の実施であらわになった試験だ。
デバイスのトラブル、音もれ、解答もれなどの問題、日程の問題、採点方法の不透明性など、様々な欠陥が発覚した。高校側でも入試の作業工程が増えて、ミスも起きかねない。
ただ都としては、一度実施してしまったのだからこの「ESAT-J」事業を意地でも続けたいのだろう。
できれば、新事業者には今回指摘された点ができるだけ改善され、不公平感が少しでもなくなる運用を願いたい。
今春、都立高校のいくつかで聞いたところ、今回の入試では「1020点満点中20点の影響はほぼなかった」というお話が多かった。特にレベルの高い高校では、話題にも上らなかったことを付記しておく。
ならば、なおさらこのテストを入試に組み込む必要性が感じられないのではないか。