の続き
それは、「観点別評価」から「5段階評定」は算出されることになっているが、それぞれ達成基準が異なるからだ。
「観点別評価基準」
A判定…80%以上
B判定…50%以上80%未満
C判定…50%未満
※現在「観点別評価」の「観点」はどの教科も3観点「知識・技能」「思考・表現」「態度」に統一されている。
「5段階評定基準」
5判定…90%以上
4判定…80%以上90%未満
3判定…50%以上80%未満
2判定…20%以上50%未満
1判定…20%未満
※この基準は東京都の推奨基準で、都内の公立中学はほぼこれにならっている。
この基準からすると「観点別評価」の「A」は「5段階評価」では「5または4」のどちらも考えられることになる。
このように基準が異なるため、オールAでも5とは限らないのだ。
たとえば、ある教科で「観点別評価」の3観点の達成率がそれぞれ91、83、94とすると、
(91+82+93)÷3=平均88.6で、「5段階評定基準」の80%以上90%未満に当てはまるから、評定は「4」になる。
私の息子の場合、調べた結果、提出物の評価がAとBの境くらいの数値で、それが足を引っ張り「5段階評定基準」が90%を切ったため、4になっていた。
ちなみに、定期テストの点はどこに入るのかというと、教科にもよるが、この3観点の中にそれぞれ配分される。
定期テストの問題ごとに「知識・技能」「思考・表現」などと書かれているのはそのためだ。
したがって、定期テストの点数は各観点の評価の一部分でしかない。
以前は、中学校によっては「観点別評価」の9教科の個票を生徒ごとに毎学期、束にして配布していた学校もある。
三沢中では、以前「数学科」だけ観点別評価の個票が配布されていたことがある。
だが、現在はほとんどの中学校で「観点別評価の個票」が配布されていないので、そもそもの観点の数値がどうやって出ているのかが分かりづらくなっている。
以前うちの塾で観点別がオールA、テストは2回とも95点以上で「4」の評価が付いた生徒がいた。
その際、保護者の方が、不審に思って学校に問い合わせたことがあった。
返ってきた答えは「平均値が89.9なので4」。
笑えなかった。
「3」の幅が50%~80%と、かなり広いことにも注意したい。
「4」に近い「3」もあれば、「2」に近い「3」もある。
でも、見た目の数値は「4より」だろうが「2より」だろうが、同じ「3」になってしまう。
だから「4よりの3」ならもったいないから「4」に上げるように努力したい。
「3」と「4」の違いは非常に大きい。
もし、「2」に近い「3」なら相当な努力が必要になる。
現在は「3なら普通」ととらえると痛い目に遭うことがあるので要注意が必要だ。