小中学校の成績(評定)の算定方法が「相対評価」から「絶対評価」に変わったのは平成14年度だから、すでに20年以上経っている。
現在35歳以上の人は、「絶対評価」のことを知らないことになる。
評価方法が変わる前後、しばらくは賛否両論が渦巻いていた。
もちろん、教育者、保護者ともに一部を除いて圧倒的に反対派が多かった。
過去の「相対評価」では、「5段階評定」は
5…7%
4…24%
3…38%
2…24%
1…7%
と評価が全生徒に対しての割合で振り分けられていた。
たとえば、1クラス40名(中学校)いたとすると、どの教科も「5」と「1」はそれぞれ3人。
「4」と「2」はそれぞれ10人。残りの16人程が「3」と、厳格に決められていた。
そのため、ある評定の子が1人増えると、割合は変えられないから、その評定の1人分を減らさなければならなかった。
その加減の過程で、けっこうな軋轢もあった。(今回は詳述しない)
それが、「絶対評価」になってどうなったかというと、人数しばりがなくなったのだ。
だから、当初は教科によっては「全員5(!)」「全員3」「4,5なし」「1,2なし」などがあった。
反対派の論拠はこのように「評価」が「恣意的」あるいは「不透明」になることだった。
適正に「評価」はできないだろう、ということだ。
ただ、現在はかなり是正されている。
東京都の中学の場合、毎年中学3年生2学期の成績(入試に使われる内申)が調査され、その集計結果が公表されている。
都内の公立中学校全校の教科ごとの評定の割合がHPに記載され、誰でも閲覧できる。
結論から先に言うと、「絶対評価」の今の子たちの方が「相対評価」の頃よりも、相当恵まれていると言える。
全体に「1」「2」の評価がどの教科も本当に少ない。
「相対評価」の頃は「1」「2」は合計31%の子についていたが、今は合わせても10%程度、成績格差が最も激しい数学でさえ、多くても20%だ。
だから、「1」「2」を取るのは逆にむずかしいことになる。
「1」は様々な理由があるので何とも言えないが、「2」を取ると言うことは「明らかに学習していない」ということ。
「1」とは真逆の「5」も20%くらいの場合が多く、以前の「7%」どころではなく多い。
「5」「4」合計で40~50%になる中学校もやたらに多い。
よって、もはや「3は普通」ではないのだ!
今は「4」か「4に近い3」が「普通(平均)」と考えたほうがいい。
「オール3」は平均以下という認識が必要だ。
このように、「絶対評価」である現在は「内申が取りにくい」と言うことは「全くない」
「取りにくい」とするならば、よほど学習の仕方を間違えているのかもしれない。
さらには、「あの学校は成績がとりにくい」などと言うことは絶対にないから、そんな噂は言い訳に過ぎないことを知るべきだと思う。
次回は、じゃあどうするか、を考えてみたい。