からの続き
義務教育での評価方法に「絶対評価」が導入されてからまだ20年。
実は、それよりずっと前から「絶対評価」だったところがある。
高校(または大学)だ。
(昔から、色々な評価方法を研究する先生方もいらっしゃるので、すべての高校が絶対評価(的)だった訳ではない。生徒を「評価する」ことも教師の大切な仕事で、その能力差が教師の力量差にもなる)
ただ昔の高校の「絶対評価」は、単純に定期テストの平均が90点以上で5、80点以上で4などがつき、授業態度などほぼ加味されない方法であって、今の中学校の「絶対評価」とはかなり異なるものだった。(先述のように、高校にも最近「観点別評価」が導入された)
現在中学生くらいのお子さんの保護者の方は、中学生の頃は「相対評価」で、高校、大学では今とはちがう「絶対評価」を受けている。
今でも「入試でいい点さえ取れれば、どうにかなるんでしょう?」と考える保護者の方がいらっしゃるのはそのためだろう。
最後に受けた評価方法が、今とはちがう「絶対評価」(点さえ取れればOK)だったからだ。
前置きが長くなって申し訳ないが、ここまで書いたことが「どうしたらよいか」のヒントになっている。
そう、点数だけ見る「絶対評価」とはちがうということ。
「観点別評価」から「5段階評定」が算定されることになっていることからも分かる。
「観点別評価」の3観点
「知識・技能」では、積極的に知識・技能を習得しょうとする意欲が見られるか。(簡単に言うと「ちゃんと学んだり、覚えたりしようとしているか」)
「思考・判断・表現」では、習得した知識・技能を活用して、積極的に表現、作品の作成等ができるか。(簡単に言うと、「記述表現やレポート提出、発表などがまともにできるか」)
「主体的に学習に取り組む態度」では、学習に粘り強く取り組めるかどうか。(簡単に言うと、「宿題・課題の提出、発言がまともにでき、誰に言われることなく進んで学校でも家庭でもキチンと勉強してるか」)
この3観点の中に、定期テスト、ふだんの小テストの点が振り分けられ評価される。
また、先述の東京都の「内申点」の調査は、各中学校の評定点の分布割合を公表することによって、偏った評価(5ばかり、3ばかりなど)を是正するためにある。
これらのことから分かるのは、現在の評価方法は
ということだ。
当たり前な対処方法になるが、
・テスト(定期テスト、小テスト)の点は当たり前に良いこと
・提出物の内容がしっかりしていること、期限を守ること
・作品は必ず作成、提出すること(実技テストではふざけない)
・授業態度が良好であること(できるなら積極的な発言も)
・宿題・課題は時間をかけて、中身にもしっかり取り組む(答えを写さない)
などが考えられる。
つい最近まで、「評定(内申)」は軽んじられていた。
私立高校の中には、内申は「信用できない」「入試には使わない」と公言していたところもあった。
だが、今は違う。
公立高校では、入試点の3割に当てられ、判定される。
私立高校では、「今の内申は信頼できる」「全人的な評価と見ることもできる」という高校がほとんどだ。
だから私立の併願推薦の判定基準は「内申」のみだ。
しかも、高校の追跡調査では、
「国公立大学やレベルの高い私立大学に進学するのは中学の時に内申が高かった子」
「内申にバラツキがある子は、国公立などの他教科入試には向かず、私立大学でも中堅以下になりやすい」
ことがわかったそうだ。
ということは、内申によって「将来まで分かってしまう」ことになる。
先ほど列挙した対処方法だが、もう一度読んで見てほしい。
まともな社会生活に必要なことばかりだ。
こういう人と、一緒に仕事したいと思う。
だから、保護者として子どものために、何が何でも「内申」がとれる子にするべきなのだ。
そのためには、テストだけではなく、学校および家庭でのすべての学習を充実させることが必要だ。
それはむずかしいことかもしれないが、今の努力が未来につながる。
内申(評定)を少しでも上げる努力は、無駄にならないどころか、必ず子どもの将来の生きる糧になるのだから。