東京大学社会科学研究所とベネッセの子どもの生活に関する共同調査の今年の結果が発表されたようだ。
昨年の調査では「勉強する気持ちがわかない」と答える子ども(小1~高3生)が半数を超え、「コロナ禍での学習意欲の低下」と話題になった。
今年は「『上手な勉強のしかたが分からない』という悩みが7割に増加」だそうだ。
その中でも注目したいのが、「成績」にもっとも強い相関関係があったのは「学習方法」であり、「学習方法」が分かると「学習意欲」が高まるという調査結果だ。
うちの塾がいつも主張していることに「意欲は先にはない」がある。
「やる気スイッチを押したら成績が上昇する」などということはないということ。
「成績は良くないけど、やる気だけはあります!」などと言う子は「やる気」というものをわかってないだけだ。
そういう子はすぐに現実(「できない!」)にブチ当たって、あっという間にやる気のようなものはなくなってしまう。
逆にかえってひどく意欲を下げることにもなる。
やる気は、この調査結果のように「勉強のしかた」が分かって、いい結果が出て、子どもたち自身が「やればできるかもしれない」と実感して生まれるものだ。
だから塾としては、まず「学習のしかた」を身につけさせ、成績が向上することを実感してもらい、「やる気」を引き出すこと、が役割だろう。
さきに「やる気」をつくり出そうとするから、ヘンなことになる。
成績の良い子はいろいろな「学習方法」にチャレンジする傾向が強いそうだから、様々な方法を試してその子に合った方法が見つかるとさらに意欲も増すだろう。
また、調査では「学習時間」と「成績」の相関性は弱かったことも指摘している。
ただし、小4~6年では「学習時間」と「成績」の相関はもっとも強い。
だから、低学年のうちは、ある程度の時間を学習に当て、学習習慣を身につけさせることが効果的だ。